

サイエンスの文章で世界を改善する

いらっしゃいませ。
2022年にライター業を開業し、いろいろ実験中です。
総花的なホームページになってしまいましたが、
ゆっくりしていってください。
あなたの生活をよくするヒントが見つかりますように。
柏木の物語
柏木について
柏木は会社員生活の傍ら文章を書きつづけてきました。
2021年に兼業可の会社に転職したことを契機に、本格的に文章を執筆し始め、
2022年8月22日に個人事業主として開業しました。
柏木はASD(自閉症スペクトラム)当事者です。得意なことと、苦手なことの差が激しいです。
ですが、得意なこと(文章執筆)で少しでも世界をよくできるのではないか?
強みを活かし合う、弱みは補い合う。そういった社会を、私たちでつくれるのではないか。
そんな思いを抱きつつ、柏木は今日も文章を紡いでいます。

柏木の好きな言葉たち
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

「迷って初めて、私たちは自分自身を理解し始める」
まずは、イメージをふくらませましょう。
短歌 Ⅰ
「言の葉の起源探りて逡巡す歌と叫びにより始まりしか」
(水護玲於奈『激情少年』)
過去に「水護玲於奈」名義で出版した短歌作品集から引用しました。
神経心理学者・山鳥重先生の文献からインスピレーションを得たのを記憶しています。
書名は失念しましたが、鳥の歌のパタンをもとに
ヒトが用いる言語の起源に迫ろうとする、かなり生物学的な内容だったと思います。
〝鳥の歌〟が方法論として用いられていることからもわかるとおり、
言葉とはもともとは生命の保持に迫られて、あるいは番を得るために、
身体から嗚咽のように洩らされた
〝叫び〟だったのではないか、というのが私の解釈です。
短歌 Ⅱ
「風すさぶ国は彼の人〝国葬〟す命貴賤あり蝉時雨降る」
短歌は〝風刺〟にも使われるそうなので、一首詠んでみました。
過去にTwitterに投稿したものです(すでに削除済み)。
部屋にテレビもなく、新聞も講読していない柏木は
時折ネットニュースを垣間見るくらいでしか世相を知るすべがないのですが。
私たちが納めたはずの税金が、おかしなことに使われています。
『新世界 5th』(長野まゆみ)
「もう二度とこの躰を、医療局に使わせたりしない。」
中学生という多感な時期に、
図書室で遭遇した長野まゆみ先生の『新世界』シリーズ。
先生の透徹した文章をもって、徹底した客観性で少年たちの戦いが描かれます。
上記の言葉は、これまでおとな達に従属するしかなかったシュイが
初めて自我に目醒め、静謐な決意により語った独白です。
このような美少年と同列で語ることに気恥ずかしさもありますが、
いい歳でありながらいまだ成熟しきれていない
柏木の琴線に触れつづけています。
短歌 Ⅲ
「ビル空と繋がる夜の歩道橋窓の灯りは希望の煌めき」
灯りのもとにはすべからく人がいるのだと思うと、
どことなくしみじみとした気分になります。
電気代のことを考える現実的な人もいると思いますが。
この世界にはいまだ、あらゆる課題が山積していますが、
灯りが〝希望〟を直截的に表現しているかのように
柏木には見えてしまいます。
先行きは長いです。
「人は生きてきたように死んでゆく」といった格言がありますが、
この〝灯り〟がいまの柏木を支えてくれるとともに、
人生をかけて〝灯り〟をいくつか点けて、のちに繋ぐことができたら。
そんなとりとめもないことを考えます。
短歌 Ⅳ
「降り注ぐ琥珀のごとき月見遣るゆらり影一つ千年の孤独」
2022年11月8日、幻想的な月食が空に映し出されました。
友人からのLINEでそれを知った私は、帰路の途中、
小道の傍らで茫然と空を見上げていました。
帰りがけスーパーで買い物したエコバッグを、左手にだらり提げ。
通りすがりの人は私を一瞥するも、当然すぐさま無関心へと戻ります。
いかにも不調法者な私ですが、染まってゆく琥珀の色味に
不覚にも酔いしれ、しばし耽溺していました。
家族とも絶縁し、生涯独身者をつらぬくであろう私を嘲笑うかのように
ゆらり影が一つ揺れます。
しかしその家族の上にも、私を苛んだ元彼たちの上にも、
特例子会社でのパワハラ上司にも、あるいは大切な友人たちにも。
心理師の先生にも、仕事相手にも、保健師の先生にも、主治医にも、
等しく、月は照らし出します。
私の好きな漫画の中で、主人公の少年は言いました。
「今、たまたまここに生きた全員は、
たとえ殺し合う程憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする。」
〝敵〟は、いないのかもしれない。25世紀の人間からすれば
(あるいは26世紀でも)、
われわれは等しく同じ、〝21世紀を生きる原始人諸君〟。
仲間同士いがみ合うことほど、不毛なことはないのかもしれない。
目的はなにか?
この世界を少しでもよくするために、われわれになにができるのか。
話をしましょう。書き、学び、働き、遊び。
話をして、また書く。学ぶ。働く。遊ぶ。
すべては、未来の子どもたちのために。
同じ月を見上げた〝仲間〟として。