柏木のプロフィール
物語の舞台裏
柏木は21歳のときにASD(自閉症スペクトラム)の診断を受けます。
障がいのことをクローズにして出版社に勤務した経験もありますが、
現在は障がい者雇用で勤務しています。
出版社は大変ながらもやりがいがありましたが、
やはり障がいについて理解ある会社にめぐり合えたのは幸運でした。
さまざまなことがありました。担当カウンセラーが戸惑うほどの苦労をしてきました。
30代になってようやく、少しずつ客観的・論理的に物事を考えられるようになってきました。
それまでも細々とライティング業務を請け負ってはいましたが、本格的に文章を書きたいという思いから
個人事業主として開業いたしました。文章のコンセプトは〝科学的〟です。
21世紀も佳境に入ったという現在になってなお、SNSを始め多くの非科学的意見が跋扈しています。
自らのバイアスに気づきもせずに、主観と感情論を振りかざしています。身の周りでも同じ人は多いはず。
苦しみと悔しさのただ中にいる読者に、〝科学的〟な文章を届けたい。
ライティングオフィス 柏木サイエンスは、〝科学的な考え方〟というサバイバルツールを読者に贈ります。

プロフィール詳細
岡山市出身。
短大卒業後、1年間の社会人を経て四年制大学の人間科学科3年次に編入。それを機に単身上京、新聞奨学生となる。勤労学生として自活しながら大学に通学。成績は良好であり、学長賞を授与される。
自閉症スペクトラム(ASD)の診断を受けたのは21歳のとき。精神科への通院を始めたのは18歳からだが、当初は統合失調症と診断されていた。途中から主治医の勧めもあり市内の児童精神科を訪れたところ、アスペルガー障がいと診断される。精神障がい者保健福祉手帳を23歳のときに取得。
子どものころに暴力を含む激しいいじめに遭い、不登校も経験している。実家は機能不全家族であったため両親にはフォローしてもらえず、暴力まじりの子育てを受けるなどして心身ともに傷つきながら育つ。
そのときのトラウマによるためか、上京後はいわゆる「ダメ男」と交際してしまい、大 金を貸した経験を持つ。別れるときに女性弁護士に介入してもらい、7割ほどの金額を回収することに成功。このことをきっかけに、法律に少しずつ関心を持ち始める。のちにビジネス実務法務検定3級に合格し、数年のちに2級にも合格する。
出版社に勤務し、プロジェクトをチームにより成功させた。自身が言葉が好きであることを改めて発見。
2019年のブラック企業大賞にノミネートされた通信系大企業の特例子会社に7年ほど勤務。おそらくはトラウマが治癒していなかったため、サンドバッグのように目をつけられてしまい、手酷いハラスメントの数々を受ける。
上司の心ない一言が本格的なきっかけとなり有休消化しそのまま退職。有休消化中に面接を受けた会社に無事採用されたため、転職し今に至る。
現職も障がい者雇用だが理解があるため、恵まれた環境で働いている。兼業も許可されており、この度会社に届出を提出し、正式に個人事業主のライターとして開業。
現在30代前半だが、ようやくのことで自分の人生を生き始めたところ。トラウマの治療も始め、民間の心理セラピー室で2週間に1回程度の割合で公認心理士からセッションを受けている。ソマティック・エクスペリエンスや自我状態療法など、先進的な治療を受けており、少しずつ心が回復に向かっている。
並々ならぬ苦労をしてきたが、今となっては「これでよかったのだ」と思っている。
社会人には試練がつきものである。なにも苦労をしない、順風満帆な人生を送ってきていたら、なにか大きな失敗を一つしたら簡単に折れてしまっていただろう。また、傷ついた人の気持ちもわからない、わかろうともしない人間になっていただろう。
多少のことではめげないしなやかな心、そして〝優しさ〟を手に入れることができたのだから、今までの出来事には、すべて意味があったのだと思う。そう思うと、過去に改めて感謝したい。
そして出版社での勤務経験をとおして、改めて気づいた「言葉が好き」という思い。直近で受けた知能検査では、「言語理解」が136という数値だった。心理士のコメントでも「得意な領域です」と言ってもらった。
むろんASDである以上、苦手なことはたくさんある。しかしどうせなら、この得意である「言葉」を使って、少しでも世の中のために働きたい。障がい者も、健常者も、得意なこと・苦手なことがそれぞれあるはず。〝強み〟は活かし合う。〝弱み〟は補い合う。そういう世の中をつくるために、少しでも貢献したい。
心理学のあまりに有名な格言に、「過去と他人は変えられない。しかし、未来と自分は変えられる」というものがある。
未来を変えることには勇気が必要である。未知の領域であるぶん、ときに恐怖を感じるからである。つらくても苦しくても、脳はなじみ深い現状に留まろうとする。しかし勇気を出して少しだけ身体を動かせば、未来は音を立てて動き始める。
思ったことを言ってみる。思いを表現してみる。笑ってみる。協力してみる。そのひとつの〝勇気〟が、確実に未来を、世界を変える。
未来を変えるために。「ライティングオフィス 柏木サイエンス」は、そんな勇気にそっと寄り添う、〝科学的な考え方〟というサバイバルツールを読者に贈ります。